こんにちは、パリ在住フリーランスライターのnatsumi(@natsumiinparis)です。
フリーランスになる前は、
空港の外国人向けの旅行センターで
コンシェルジュ業務などをしていました。
毎日世界各国から旅行客が押し寄せる中で
日本の地理についての勘違いからくるトラブルや
独特の交通ルールを知らないばかりに
トラブルになるケースが多々発生。
今回は、インバウンド業界の最前線で体験した
3つのトラブル事例を受け、
筆者が考えるオリンピックに向けて必要な対策も
あわせて紹介します。
「MINATO」「CHIYODA」問題
「今日どこ行くの?」と聞くと、
「MINATO」「CHIYODA」「SUMIDA」など
東京都内の区の名前を返してくる人が
驚くほど多かったです!
「これはね、地区の名前なんですよ~」
と説明すると、
ピンポイントな場所の名前だと思っていたらしく
驚かれることもしばしば。
おそらく今日の行き先は「CHIYODA」と
頑張って覚えてきてくれたんだと思いますが、
さすがに区の名前だけでは
ホテル名はわかりません…!
結局またスマホを開いてwifi繋いで
予約確認書を開いて…となるのは
正直お互いに時間がもったいないなと
日々感じていました。
日本の規模感がつかめていない
日本の規模感を全くつかまずに来ると、
最初の移動からトラブルが起こります。
一番よくあるのが、新幹線の最終を逃すこと。
東京から京都や大阪方面に行く訪日旅行客が
毎日たくさんやってきますが、
まさか東京から関西まで2時間半から3時間も
かかるとは思っておらず、
最終の新幹線を逃すパターンは日常茶飯事。
そもそも初日の宿までの行き方や所要時間も
調べず外国にくるなんて勇者だな…
と正直感じてしまいますがお国柄でしょうか?
アジア人は綿密に旅程を組んでくることから
こういったトラブルは少ない傾向にあり、
圧倒的にヨーロピアンに多いトラブルと言えます。
初日から宿をキャンセルして
新しい宿を都内に取ったり
なかなかハードな旅の始まりですよね…。
これから山陰方面に向かうと言うファミリーも
案の定最終の新幹線に
間に合わないことに気づき大慌て。
しかも、よくよく旅程を聞くと
関西と山陰しかまわらないとのことでした。
自分たちでもいろいろ調べたあげく、
「最初から関西空港利用すればよかった!!」
と発狂し始め、
私たちは「まさにそのとおり…」としか
返しようがありませんでした。
どうやら東京と広島はすぐ隣くらいに
思っていたようです。
特急券ってなに?
海外では基本的に「乗車券+特急券」
という仕組みはありません。
そのため日本で特急や新幹線を利用するときに
特急券の存在を説明しても、
「なんで2枚きっぷがいるの?」
と怪訝な顔をされ理解されづらいのが現状です。
さらに、どこか小さな駅からsuicaで乗車し
改札内の乗り継ぎで特急を利用したときに
特急券を買わずに乗ってしまい
あとあと「特急券が必要なんて聞いていない!」
といったトラブルも耳にします。
他にも日本の鉄道システムでは
私鉄が多すぎて混乱するケースや
ダイヤが大幅に乱れたときに
アナウンスが日本語で理解できず
飛行機を逃してしまうケースなど、
訪日客の受け入れ体制には
まだまだ改善の余地が必要です。
まとめ:オリンピックに向けての情報発信のあり方
今回紹介したようなトラブルは、
特に初めて日本を訪れるヨーロピアンに
多く見受けられました。
まさに3月の下旬から4月にかけては
イースターの長期休暇をきっかけに
「日本初めてなの!」
というヨーロピアンがたくさん到着し、
毎日同じようなトラブルが何件も起きていました。
2020年のオリンピックでは、
日本を初めて訪れる外国人が
さらに増えると予想されます。
現在は日本の魅力的なスポットを
紹介する動きは高まっていますが、
外国人目線に立った
訪日旅行に役立つトラベルハックの発信も
今まさに取り組むべき課題だと感じています。
2020年のオリンピックは、
日本を初めて訪れる外国人を
リピーターにする絶好のチャンスです。
初めての訪日旅行も
スムーズに楽しんでもらえるよう、
私も引き続きヨーロッパの旅行博などで
来場者インタビューを重ね、
「今求められている情報とは何なのか」
調査していきます!
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