【JAPAN EXPOレポート】和歌山県の最新インバウンド事情

【JAPAN EXPOレポート】和歌山県の最新インバウンド事情

こんにちは、パリ在住フリーランスライターのnatsumi(@natsumiinparis)です。

7月5日〜8日にパリで開催された、

JAPAN EXPO 2018を取材しました。

JAPAN EXPOは、欧州最大の日本文化発信イベント。

2,000年から始まり19回目を迎えた今年は、

日本への観光をテーマにした

観光エリアが新設されました。

日本政府観光局を始め、

地方自治体や鉄道会社、航空会社など、

全部で18ブースが集結。

和歌山県のこれまでのインバウンド対策をふまえ、

来場者の反応や今後の課題への取り組みを中心に

和歌山県ブースの取材レポートを報告します。

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紀伊半島が「世界の訪れるべき地域ランキング」で5位に

世界的シェアを誇る旅行専門誌、

「ロンリープラネット」の、

2018年版「世界の訪れるべき地域ランキング」

紀伊半島が第5位にランクイン!

高野山や熊野三山をはじめとする

自然景観や温泉、伝統文化といった

都市部にはない和歌山の魅力が評価されました。

2004年に「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されたことをきっかけに、

日本古来の神秘的な世界を求めて

和歌山を訪れる欧米人が急増。

JAPAN EXPOのブースにも

ロンリープラネットの大きなポスターが飾ってあり、

来場者の注目を集めていました。

まだ日本を訪れたことがなく

和歌山の名前も知らなかった来場者も

ポスターに惹きつけられブースに足を止め、

地図を用いた和歌山の場所や観光地の説明を

熱心に聞き入っていました。

多言語サイト「VISIT WAKAYAMA」

和歌山県の多言語サイト、「VISIT WAKAYAMA」

フランス語やタイ語など全9言語で展開。

「WAKAYAMA 800」という、

サイクリングで和歌山を巡るプロジェクトでは

英語とフランス語のPR動画をサイト上に掲載しています。

よりアウトドアな観光を好み

個人旅行が主流の欧米人向けに、

800kmに渡るサイクリングで訪れることができる

和歌山の自然景観や歴史的建造物、温泉

動画を通して紹介しています。

 

欧米人には高野山が人気

大阪からアクセスしやすい高野山は

都会では体験できないような

日本の神秘的な世界が堪能できることから、

スピリチュアル文化への関心が高い欧米人に人気です。

出展者によると、高野山を訪れる外国人で

最も多いのがフランス人。

パリで開催されたJAPAN EXPOでも

和歌山県ブースが注目を集めていた理由がよくわかります。

 

高野山の人気の秘密は、宿坊の宿泊体験。

英語での接客だけでなく

マナーや歴史に関する英語の案内書きなど

外国人旅行客の受け入れ態勢も整っています。

特に、恵光院が毎晩開催する

英語のナイトツアーや瞑想などのプログラムは、

仏教の教えを身近に体験できると好評です。

熊野や白浜など、南への誘致が課題

出展者に話を伺うと、

高野山はすでに欧米人の間でも人気な一方、

今後の課題は熊野や白浜などの

南方面への誘致であることがわかりました。

アクセスが便利な高野山をまわり、

すぐ大阪など北方面へ向かう訪日客が多いのが現状。

南への誘致を促進すべく

現在行っている取り組みの中で注目したいのが、

熊野古道とサンティアゴ巡礼の道の姉妹道提携。

 

和歌山県の熊野古道と

スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼道は、

両方とも世界文化遺産に登録された参詣道です。

1998年に姉妹道提携を締結、

2014年には田辺市とサンティアゴ・デ・コンポステーラ市が観光交流協定を締結し、

2015年からは「二つの道の巡礼者」の取り組みが開始されました。

「二つの道の巡礼者」とは、

熊野古道とサンティアゴ巡礼の道の両方を歩いた人のこと。

「二つの道の巡礼者」として田辺市で登録すると、

熊野本宮大社より手すき和紙でできた

共通巡礼達成証明書が贈られます。

熊野古道とサンティアゴ巡礼の道の姉妹道提携以降、

スペインでの熊野古道の知名度が高くなりました。

今後も「二つの道の巡礼者」をPRすることで

サンティアゴ巡礼の道を歩いた世界中の人が

熊野古道を訪れるきっかけにもなることから、

南への誘致に効果的な取り組みだと言えます。

まとめ:和歌山県ブース取材を通じて

和歌山県ブースでは、足を止めた来場者に対して

資料を用いて魅力を説明するだけでなく、

ブース前でも資料を配りながら

積極的にPRをしていたのが印象的でした。

高野山を訪れる外国人で

最も多いのがフランス人ということには驚きましたが、

長期旅行が主流で宿泊日数も長いフランス人は

南への誘致の促進においても絶好のターゲットです。

来場者に話を聞いたところ、

まさに都会では体験できないような

日本の伝統体験に興味があると答える人が多く、

和歌山は欧米人観光客のニーズに応えうる

観光資源が豊富に揃った地域であることを

改めて実感しました。

 

私自身、夏にサンティアゴ巡礼の道を歩くので

巡礼中に出会った旅人たちに

熊野古道の話をしてみようと思います。

世界中から年間30万人の旅人が集まるサンティアゴ巡礼の道を、

和歌山の魅力を伝えながら歩くことで

微力ではありますが、少しでも多くの人が

和歌山を訪れるきっかけ作りに貢献したい

今回の取材を通じて感じました。

巡礼中のインタビューの様子

発信していきますのでお楽しみに!

ロンリープラネットの影響や

JAPAN EXPO出展などの海外プロモーション効果で、

ますます注目を集めていくであろう

和歌山県のインバウンド対策

今後も注目していきます。

 

 

 

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