こんにちは、パリ在住フリーランスライターのnatsumi(@natsumiinparis)です。
先日電車でパリ中心部へ向かう途中、
ストライキ+事故による区間運休という
ダブルパンチに遭遇しました。
まだフランス語も初心者のため
状況を理解し対処するのも至難の技。
大混乱の1日でしたが、
異常時の駅員の対応や乗客の様子など
観察してみたら日本とは真逆の状況で
非常に興味深かったです。
今回は、パリの鉄道が乱れに乱れた日の様子と
フランス人の反応を駅員、乗客双方の立場から解説、
さらにフランス語初心者の私がこのピンチをどう乗り越えたのか、
シェアしていきます!
Contents
大混乱の1日の原因
2018年大規模ストの真っ最中
フランス国鉄が3ヶ月に渡り大規模ストを敢行中。
現在5日間のうち2日ストをするというような状況です。
国鉄職員の労働条件に関する優遇措置が
マクロン政権により段階的に廃止されるのを阻止するため、
自分たちの権利を主張すべくストを起こしています。
ストといっても路線によりますが
基本的に完全に運休というわけではなく
本数が極端に減るようなイメージです。
それでも不規則にスケジュールが変わるのは
なかなか不便ですよね。
豪雨で地盤が緩み電車が脱線
[ Intempéries en Ile-de-France : accident sur le #RERB ] Un train s’est partiellement couché ce matin entre Saint-Rémy-lès-Chevreuse & Courcelle-sur-Yvette suite à l’affaissement de terrain sous la voie, provoqué par de fortes intempéries. https://t.co/ZmkmQHsAgH pic.twitter.com/EY5XfkAz02
— Groupe RATP (@GroupeRATP) 2018年6月12日
先日の豪雨で地盤が緩み
早朝に電車が脱線し架線も切れ、
RER B線が区間運休。
よりによって私の最寄駅の手前で事故が起きたため
駅に行ったらホームが閉鎖されててびっくりw
これまでもストの日に電車を利用したことはありましたが、
ホームが閉鎖なんてことは一度もなかったので
Twitterを確認し画像を見たら状況を一瞬で理解しました。
フランスの駅員の対応
駅員だけは平常運転
駅に着きホームが閉鎖されていて何事かと思ったので
窓口にいったら駅員たちがなにやら談笑中。
パリ市内に行きたいんだけど…と伝えると、
「今日電車動かないからバスで◯◯まで行きな!」
と平然と答えるおじさんww
あまりにもさらっと言われたので
「なるほど〜了解です〜!!」
みたいなテンションにこっちまでなってしまいました笑
日本の駅員だったらとりあえず
「ご迷惑おかけし大変申し訳ございません」
と全力で謝りますよね笑(経験済み)
しかし、今回の事故は自然災害で起きたことだし
自分たちの権利を主張するためのストライキだし
たしかにこの状況で必死に謝る方が不思議なのも理解できます。
運休理由や最新情報の放送が少ない
日本でダイヤが乱れると改札が
遅れの理由や最新情報を逐一放送しますが
フランスではほとんどしません。
だから乗客はただただ待つしかないという笑
そのわりに突然状況が変わるため(発車番線など)
振り回されることもしばしば。
むしろ乗客側が頑張って異常時に対応し
不明点があったら自ら質問しに行くというスタイルです。
一般市民はストに寛容
日常生活に支障が出ることもあり、
一般市民は我慢していられるのか疑問でした。
日本の感覚だとこんなに振り回されたら
乗客はブチ切れますよねw
しかしフランス人は、
「権利を主張することは当然」
「またやってるのか」
というような感覚なので
比較的ストライキに寛容です。
たしかにホームで延々と電車を待っていたり
車内にしばらく缶詰になったりしても、
誰もキレることなく静かにしています。
たまにホームでの駅員の誤案内で
貴重な電車を逃した乗客が
体全体で怒りを表している光景には遭遇しますが笑
フランス語初心者がとった行動
とりあえず話しかけてみる!!
フランス人たちは「またか」と思うストライキも、
特に日本人からするとただただ混乱するだけ笑
しかも駅員は情報を発信してくれないので
状況を打破するためには自分から動くしかありません。
電車が動かないからバスに乗れと言われても
どのバスか、どこまで乗ればいいのか
肝心なことはなにもわかりません笑
もじもじして待っていてもどうにもならないので
バスの運転手に聞き込み調査開始w
フランス語で挨拶と行き先を尋ねるくらいはできますが、
大抵回答が理解できない笑
それでも「わからない」というのを表情に出しつつ繰り返し聞いたり、
発音が悪すぎて駅名が通じない時はアプリで表示して見せたり、
試行錯誤しながら恥を捨ててコミュニケーションをとれば
案外どうにかなることがわかりました!
空気を読む
言葉がわからなくても日本人が得意なのが
“空気をよみ、察する力”
まわりの乗客の動きを見て
今乗り換えるべきか、留まるべきかを判断すると
うまく事が進みますw
よく急にホームが変更になったり
隣の電車に乗り換えなければいけなくなったりするので、
常にまわりの動きを観察しながら行動するよう心がけています。
試行錯誤の結果
本当は乗り換えなしで50分くらいの道のりを
バスで途中駅まで向かい電車に乗り継ぎ、
行きは1時間半、
帰りは2時間以上かかりました!笑
電車もやっと来ると思ったら
行き先が急遽変更になったり、
臨時バスも人を集めてから出発するため
しばらく立ち往生したり…..
時間はかかっても結局行って帰ってこれただけましでしたが、
完全に疲労困憊笑
番外編:満員電車でも優しいパリジャン
大混乱の1日で疲労困憊していた私でしたが、
ほっこりする現場にも遭遇できました。
ストと事故と帰宅ラッシュが重なり満員電車の車内。
そこへママさんがベビーカーを畳まずそのまま乗車してきて、
途中赤ちゃんがギャン泣きし始めたのです。
日本なら、満員電車でベビーカーを畳まないのはマナー違反と思う人もいるし、
赤ちゃんの泣き声に敏感で特に混雑時は白い目で見られることもあります。
しかし、パリジャンたちは
むしろベビーカーのために場所を空けるし
ギャン泣きしても「元気な赤ちゃんだね〜!」といった具合で、
どんないかついおにいさんでも
目があったらニコッとしてあげたり、
微笑ましく見守っていました。
赤ちゃん連れにも寛容なフランス社会は
そもそもベビーカーのマナーが議論になることもなく、
日本よりママさんたちが生活しやすい環境が整っているなと感じました!
まとめ
ストライキやトラブル時の様子を観察して
フランス人の3つの特徴に気づきました。
- 権利を主張することは当たり前
- 必要以上に謝りすぎない
- お客さまは神様という概念がない
フランスは、3つの特徴からもわかるように
働く側も利用者側(お客さま)も
常に対等でいられる関係が形成されており
お互いが生きやすい社会だと個人的に感じました。
もちろん日本のサービスは素晴らしく
お客さまの立場になると非常に心地よいです。
一方でサービスを提供する側への負担は、
精神的にもかなり大きいと思います。
フランスと日本、国民性も全く違いますし
どちらが良い悪いということは言えません。
しかし、互いが対等でいられるフランス社会は
サービス業経験者の私からすると、
魅力的に映ったのが正直な感想です。
これからも異文化に直面したとき、
ただ文句を言ったりするのではなく
常に物事の背景が何なのかを考え
“違い”を楽しんでいきたいと思います!
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